Story of Tax Examination 税務調査物語 売上編

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役員借入金は邪推されやすい。

vol.30

 リーマンショック以降急激な売上の減少に伴い、どの会社も資金繰りが一番頭が痛いところだと思います。国も貸し渋りに対応しようと金融の緩和政策をとっていますが、「お金を借りても返済しなければならないから、かえって首を絞めてしまう。それならば銀行から借りないで自分のお金を出そう。」という経理担当の奥さんも多いわけです。
 そのとき、注意点は会社に持ってくるお金の出所です。個人の預金口座から入金しているかどうか、その預金が定期預金の解約かどうか、というお金の出所に税務調査の目がむきます。
 よくあるケースは自宅で現金をタンス預金で保管していてそれを持ってくるケース、それはやめたほうがいいです。常に預金から引き出したお金を会社の資金繰りに使いましょう。預金口座はそれだけ証拠力があります。給料をコツコツ貯めた定期預金という証拠力が第3者の説得には一番です。

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経理担当のみなさん、日本の経理レベルは世界一ですよ。

vol.29

 戦後、廃墟の中から納税制度を確立するために作られた青色申告制度、さらに消費税導入のおかげで、帳簿の記帳内容については世界で一番要求が高いものになりました。この高い要求に応えつづけている日本の経理能力は世界一です。青色申告制度は日本独自の制度です。申告納税制度は日本が一番浸透しています。アメリカといえど、ここまで発達していません。これは日本の教育制度の賜物です。
 毎日記帳している経理担当の皆様大変お疲れ様です。皆さんの記帳技術は世界で一番優れています。こんなに精緻な帳簿を作れるのは日本だけです。皆さんのテクニックはすごい。大いに自信を持ってください。
 会計ソフトはアメリカのほうが発達していて格安です。販売管理と財務会計が一体になっていて便利です。なぜ、簡単なソフトが廉価で市販できるのか。それは、記帳が簡単で済むからです。日本はそうはいきません。消費税の観点から記帳する内容に高いレベルを要求しています。そのため入力の項目や消費税区分などが少し複雑になり、簡単なソフトで対応できないのです。日本のソフトは複雑で値段が高くなるの理由はここにあります。
 中小企業を相手にする世界の会計事務所の中で、申告納税制度の発達した日本の会計事務所は世界で一番記帳能力が高いものとわたしは自負しております。

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アメリカのCPAに聞いてみました。

vol.28

 アメリカは内国歳入庁(IRS)といって日本の税務署と社会保険庁が合体したような組織が課税と徴収を管轄しています。アメリカでは税理士の制度はなく、税金申告の手続き代行の仕事は公認会計士(CPA)がやっています。
 そこで、公認会計士に聞いてみました。「アメリカは税務調査は多いのですか?」アメリカのCPA「そんなにありません。アメリカはスモールビジネスが多く、昨年とかなり違う申告内容になっていると調査はありますが、あまりありません。」、私「日本は30%の黒字の会社は5年から7年の周期で税務調査があります。ほとんどまわりますよ。」、アメリカのCPA「ほんとうですか?」と言ってびっくりしていました。
 国家の成り立ちが違うのでしょうか、日本とアメリカでは国家の納税者に対する考え方が全く違うのではないかと思わせる発言でした。
 日本は帳簿の書き方にしても、税務調査にしても世界一厳しい国の一つであることに間違いはないようです。

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現金が合わないことがありませんか。

vol.27

 現金は毎日きちんと帳簿と残高が一致するはずです。しかし、まれに合わないこともありますね。ちょっとしたうっかりから、経費の記入ミス、入金の漏れが発生する可能性があります。一人で現金出納帳を管理しているとこのような事がりえます。現金は金種別に合わせて、出来る限り二人の方のダブルチェックで合わせていくべきです。
 合わないときはどうしてますか。支払いの間違いなのか、入金の間違いなのかは税務上全く扱いが異なります。経費が漏れていたことと売上げが漏れていたことでは雲泥の差があるのです。売上げ入金がもれていたことと脱税とは同じです。そこに意思が働いていたならば完全な犯罪になってしまいます。調査官はこのうっかりを簡単に認めません。この他に漏らしているものがないかどうか、執拗に調べてきます。これは絶対にあってはならないことです。そのためにも、売上げの領収書との確認必須です。
 税務調査の当日、現金残高が現金出納帳残高にぴったり合っていることは当然の事なのです。あらぬ疑いをかけられないよう十分お気をつけくだい。

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会社の金庫と机の引き出しそしてエクセル表やメールは整理するにこしたことはない。

vol.26

皆さんの会社の金庫にはお金だけ入れているわけではありませんよね。重要書類、土地建物の権利証・各種契約書他さまざまなものが入っているケースが多いようです。これらすべてのものが、調査官の「見せてもらっていいでしょうか。」の対象となります。もちろん、強制調査ではないのですから見せられませんとお話しできますが、みせてしまった方が調査がスムーズに進むのは事実です。そのためにも会社の金庫は整理しておきましょう。
 机の引き出しも同じです。彼らが見たいのは、そこにある現金(現金出納帳と残高があっているもの)の確認、各種契約書の印紙がきちんと貼ってあるかどうかです。
 彼らが探したいものは、帳簿にのせていない現金、製作途中で下書き用としてつくっていた在庫表(正式な在庫表と金額が違っているもの)、表に出せない裏取引契約書です。そこまでは行き過ぎですが、とかく清書する前の正式なものと残高の違う在庫表がよく入っていたりします。金額の違いを調べるとどうして違うのかは一目瞭然です。きちんと理由があるのでしょうがとかく誤解のもとです。
 パソコンも同様です。エクセルの在庫計算シートの隣のシートに別の在庫表があることがあります。メールも同様です。閲覧を要求されることもありますからお気をつけください。
 

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